つくばと世界のイノベーションをつなぐ場
サステナブル社会実現に貢献する超軽量透明断熱材「SUFA」(透明固体エアロゲル)
The Role Played by Thermal Insulation Material in Realizing a Sustainable Society
当社は、世界初の透明断熱材「SUFA(スーファ)」を開発し、光を通しぬくもりを守る「窓」を実現するとともに、他の材料と複合化し、建材、自動車、物流といったシーンへ幅広く普及させていくことを目指します。
【SUFAの発明】
エアロゲルは「空気を固体にしたもの」「凍った煙」などと称されるように、その90%以上が空気でできています。
1931年にスティーブン・キスラーによって発明されたエアロゲルは、1990年代にNASAが宇宙用途で実用化に成功したものの、その製造には超臨界乾燥装置という非常に高価な装置を用いなければならず、現実的なコストで生産できなかったため、一般の市場に出回りませんでした。ティエムファクトリは、京都大学との共同研究の結果、現実的なコストでモノリス(板状)エアロゲルを生産できる技術を発明することに成功し、SUFA(=Super Functional Air)と名付けました。
【SUFAの特徴】
1.透明な断熱材は、これまで一般市場に流通していなかったため、窓などの透明部分の断熱には真空ガラスや不活性ガス封入技術を用いるしかありませんでした。SUFAをガラスにサンドイッチするだけでトリプルガラス以上の性能が得られます。
2.SUFAは、世界で最も使われている断熱材(グラスウール)の約3倍の断熱性能を持っているため、断熱材の厚さが従来の1/3で済みます。このため、既存の断熱材料に比べて住空間や輸送機などへの実装において大きなメリットとなります。
3.SUFAは、高断熱・超軽量という特徴だけでなく、材料自体が疎水性(=撥水性)を有しています。従来製品には疎水性がないため、吸水により断熱性能が著しく低下してしまいます。これを防ぐために表面の疎水化処理を行なったとしても、クラックが生じると水分を吸収してしまい、断熱性能劣化を十分に防ぐことはできません。SUFAでは、材料自体が疎水性を持っているため、水分による劣化が起きないのが特徴です。
【SUFAのタイプ】
1.MONOLITH TYPE
モノリスタイプSUFAは、板状のエアロゲルで、SUFAの最も大きな特徴である透明性を最大限に活かすことができます。バインダー(接着物質)は入っていません。
2.POWDER TYPE
パウダータイプSUFAは、モノリスタイプと同じ組成で、粒子状に細かくしたものです。粒径は、数十μm~数mmの範囲で制御可能です。基本フィラーとして使用し、様々な樹脂や繊維材料と混ぜ合わせることで、複合断熱材を形成することができます。
【その他の特徴】
・熱伝導率:0.012∼0.014W/m・K(グラスウールは0.03~0.05W/m・K:値が小さいほど断熱性能は良い)
・耐熱温度:467℃(空気雰囲気中)、630℃(窒素雰囲気中)
・可視光透過率:1cm厚で90%以上
・密度:0.11g/cm3
・比誘電率:1.1
・耐久性(経年劣化):対紫外線:C=C二重結合が生じないため紫外線劣化は理論上起きない。
対湿度:疎水性のため、吸湿は起きない。
・曲げ強度:0.05MPa(N/m2) [コーティングにより補強]
→0.5mmtのガラスで両面をサンドイッチしたものの曲げ強度:0.6MPa(自社測定値)
・耐圧性能:10MPa以上まで壊れない。負荷を取り除くと元の形に復元。
・パウダーの粒子はオープン:構造は独立しているが、一部連続気泡になっている。
・気泡に油などが入ると断熱性能は下がる。
・窓に搭載する場合のガラスの熱割れ:起こさない。
・使い方:断熱性能は、熱伝導率×断熱材の厚さ で定まる。
→断熱のためのスペースが十分な場合 ⇒単価の安いグラスウール
→断熱のためのスペースが限られている場合 ⇒SUFAが他の断熱材よりコスパが高い
代表取締役社長
山地 正洋
【新素材で世界に光と、ぬくもりを。】
「断熱後進国、日本」。2020年の建築基準法における省エネ基準の厳格化や、電動モビリティの普及等に伴い、製品をとりまく熱マネ、エネマネへの対応が国内メーカーにって喫緊の課題となっています。
私たちは、世界初の透明断熱材メーカーとして「SUFA」を世の中に提供することで、光を透し温もりを守る「窓」を再発明するとともに、他の材料と複合化し、建材、自動車、物流といった身近なシーンへ幅広く普及させていくことを目指しています。
会社名 Company Name |
ティエムファクトリ株式会社 (てぃえむふぁくとり) |
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住所 Address |
〒311-3108 |
URL | https://www.tiem.jp/ |
代表者 President |
代表取締役社長 倉田真弥 |
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設立年 Established |
2012 |
資本金 Capital |
1,424,928,000円 (資本剰余金等を含む) |
上場区分 Listed or not |
未上場 |
株主 Shareholders |
Universal Materials Incubator Co.,Ltd. NECキャピタルソリューション株式会社 京都大学イノベーションキャピタル株式会社 大和企業投資株式会社 合同会社テックアクセルベンチャーズ フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 株式会社フジミインコーポレーテッド 三菱UFJキャピタル株式会社 YKK AP株式会社 三洋化成工業株式会社 |
従業員数 Employees |
32名(2020年3月末現在) |